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タイプ


ブランデー


アグアルディエンテ

スペイン語で蒸溜酒のことをいいます。
その内、フランスのマールやイタリアのグラッパようにぶどうの搾り滓を原料とし、それを醗酵させたアルコール含有物を蒸溜したものを「オルーホ」といっています。
アグアルディエンテの名称は、南米諸国でも使われています。

アップル・ブランデー

りんごを原料とし、その果汁を醗酵させ(シードル)、蒸溜したブランデーです。
フランスでは、オー・ド・ヴィ・ド・シードルともいいます。
フランスの最高のアップル・ブランデーは、北部のノルマンディ地方で造られるカルヴァドスで、特に有名です。アメリカ(アップル・ジャックとも呼ばれています。)、イギリスなども主な生産地となっており、わが国でも製造されています。
りんごは、バラ科の植物で、アップル・ブランデーには、バラの香りと同じ成分が含まれていることから、グレープ・ブランデーにはない、甘く華やかな香りがあります。

アルマニャック

ボルドー地方の南にあるアルマニャック地方でつくられるブランデーをアルマニャックといいます。
単式蒸溜機を使用するコニャックとは違い、伝統的な半連続式蒸溜機を主に使用しています。アルマニャックはフランス国内の地名ですが、法律で定める基準に該当したものは、この地名と同じ名称で売ることが許されています。
アルマニャックは、野生味に富み、男性的で骨太な味わいを特徴としています。
半連続式蒸溜機で、ゆっくり、1回行われます。
アルマニャック地方では、コニャック地方より古くからブランデー造りが行われていました。
アルマニャックに使われるぶどうは、ユニブランを主に、フォルブランシュ、コロンバールなどの品種です。

オー・ド・ヴィ

フランスで製造される蒸溜酒をいいます。
ぶどうを原料としたコニャック、アルマニャック、マール、りんごを原料としたカルヴァドス、この他にも様々な果実を原料とした蒸溜酒があります。
フランスは、世界最大のブランデー生産国です。

オルーホ

スペインの滓取りブランデーのことです。
ワインを造るときに出るぶどうの搾り滓を原料とし、それを醗酵させたアルコール含有物を蒸溜して造られます。
フランスのマール、イタリアのグラッパと同様の製法です。

滓取りブランデー(カストリブランデー)

滓取りブランデーとは、ワインを製造した際に出るぶどうの搾り滓を原料として、それを醗酵させ、蒸溜したブランデーのことをいいます。フランスではマール、イタリアではグラッパ、スペインではオルーホ、ポルトガルではバガセイラ、ドイツではトレスター・ブランド、ギリシャではチプロ、南米諸国ではアグアルディエンテなど、その地、その地によって固有の名称で呼ばれています。
一部のものを除いて、樽貯蔵を行わないため、色は無色透明です。
中世のころ、庶民はワインやブランデーを飲むことができなかったので、残ったワインの搾り滓を蒸溜して造ったのが始まりといわれています。

カルヴァドス

フランスの北部ノルマンディー地方とブルターニュ地方でりんごを原料としてつくられる蒸溜酒。特にカルヴァドス県のものが有名です。
これらの地方では、冬の寒さが厳しいため、ぶどうの栽培には向いていませんが、りんごには適しており、シードル(りんご酒)やりんごのブランデーの特産地となっています。
このりんごのブランデーは、法律に定める基準に該当したものは、地名と同じカルヴァドスの名称で売ることが許されています。
琥珀色のこのフルーツ・ブランデーは、香り高く、飲用のほか、製菓用としても使用されています。

キルシュワッサー

さくらんぼを原料にその果汁を醗酵させ、蒸溜して造られるフルーツ・ブランデーです。
色は殆ど無色で、さくらんぼの爽やかな甘い香りを持つブランデーです。
ドイツ、フランスのアルザス地方、スイス、オーストリアのチロル地方などで造られています。
ストレートで飲まれるほか、製菓用としても使用されています。
「キルッシュ」は、ドイツ語で「さくらんぼ」、「ワッサー」は「水」という意味です。

グラッパ

グラッパは、ぶどうの搾り滓から造るイタリアのブランデーです。
グラッパは、庶民大衆のお酒で、20世紀の初頭までは、全くの地酒でした。イタリアの村々では、荷車に蒸溜器を乗せ、家々を回る光景がよく見られたといいます。
殆どのグラッパは、樽熟成を行わないことから、色は無色透明で、蒸溜が終わると直ぐにびん詰めされ、出荷されますが、近年は、オーク樽などで熟成させたグラッパも増えてきています。
グラッパは、食後酒としてストレートで飲むのが基本ですが、エスプレッソコーヒーに入れるなど、飲み方も多様化しているようです。

グレープブランデー

グレープブランデーはワインと同様にぶどう、特に白ぶどうからつくられます。原料となるぶどうは、ワインに比べて糖分が少なく酸味が強いものを使います。香りの成分が凝縮した豊潤で味に奥深さと広がりのあるブランデーとなります。単にブランデーといった場合は、グレープ・ブランデーをいいます。
ブランデーは、フランスのコニャック、アルマニャックが有名ですが、フランス以外にイタリアなどのヨーロッパ諸国、ロシア、アメリカ、オーストラリア、日本など、ワインを生産している国々では広く造られています。

コニャック

フランスの南西部コニャック市を中心にする6地域で生産される、グレープブランデーをコニャックといいます。この地方は、土壌が石灰質を多く含んでおり、糖分が少なく酸味が強いブランデー用ぶどうの栽培に適しています。コニャックは地名ですが、法律で定める基準に該当したものは、この地名と同じ名称で売ることが許されているのです。
コニャックは、まろやかな風味と芳醇な香り、エレガントさが身上です。
コニャックに使われるぶどうの品種は、殆どがユニブラン(別名サンテミリオン種)という品種です。コニャック産のこのぶどうは、酸が多く、糖度の低いものです。酸が多いということは、果汁は酸性となって、雑菌の繁殖を抑えます。
また、糖分が少ないということは、もろみ(ワイン)のアルコール度数は低く、これは、糖度の高いぶどうと比べますと、同じ量のブランデーを造るためには、より沢山のぶどうが必要ということになります。このことは、原料ぶどうに由来する香味がより濃縮されるということです。
コニャックの蒸溜は、単式蒸溜機で2回行われます。
蒸溜機は、ウイスキーの場合と違って、2回とも同じものが使われます。

さくらんぼのブランデー

キルッシュワッサーの項をご覧ください。

パーリンカ

ハンガリーのフルーツ・ブランデーで、500年~600年の歴史があるといわれています。
原料は、プラムやアプリコット、洋梨、りんごなど様々で、この他にもラズベリー、黒スグリの実などからも造られます。それぞれの果実の香りがお酒に残り、個性が感じられるブランデーです。

バガセイラ

ポルトガルで造られる滓取りブランデーです。
ワインを造るときに出るぶどうの搾り滓を醗酵させ、蒸溜して造られます。フランスのマール、イタリアのグラッパと同じ製法です。

ピスコ

南米ペルーの地酒です。
海岸沿いで収穫されるマスカット系の白ぶどうを原料に醗酵、蒸溜した蒸溜酒で、ぶどうの仄かな香りがします。
色は無色透明に近く、アルコール分は40~45度くらい。ペルー産のアルコール飲料として真っ先に上げられるお酒です。

ブランデー

果実もしくは果実及び水を原料として発酵させたアルコール含有物、または、果実酒(果実酒かすを含む)を蒸溜したもので、蒸溜の際の溜出時のアルコール分が95度未満のものとされています。また、これに法に定められたアルコール等の物品を加えたものをいいます。

フルーツブランデー

ぶどう以外の果実を原料としたブランデーをフルーツブランデーといいます。
リンゴ、さくらんぼ、みかん、黄梅、すもも、木苺、梨、かりんなど様々な果実が原料として使われています。
フルーツ・ブランデーの種類は、フルーツの数だけ存在するともいえます。日本をはじめ、世界各国で造られています。
特に、フランスのアルザス地方では、様々な果実を使用したフルーツ・ブランデーが造られています。
一般的には、樽貯蔵をしないため、色は無色透明な蒸溜酒です。そのため、原料果実由来の特徴的な香りが生きています。
ヨーロッパでは、滓取りブランデーと同様、食後酒として飲まれたり、製菓用として用いられています。

マール

マールは、ぶどうの搾り滓から造るフランスのブランデーです。
マールは、コニャックなどと同じように、オーク樽で貯蔵、熟成させることが多く、色は琥珀色で、良質なものはぶどうの香りが凝縮したような芳香を持ちます。
マールは、中部のブルゴーニュ地方、シャンパーニュ地方、東部のアルザス地方がマールの3大生産地となっていますが、特にブルゴーニュ産のものが有名です。
食後酒として飲まれることが多いようです。