本文へ移動

タイプ


ウイスキー


アイリッシュ・ウイスキー

アイルランド島で造られるウイスキーをいいます。
アイルランドは、世界最古のウイスキー生産の地ともいわれています。
スコッチ・ウイスキーと違い、一般にピート香がないのが特徴です。
大麦を主体にライ麦、小麦などを補助材料とし、これにピート香を付けない大麦麦芽を加え、糖化、醗酵させて、単式蒸溜機で3回蒸溜します。スモーキーフレーバーがなく、まろやかで、軽く穏やかな風味のウイスキーです。
アイルランド島は、アイルランド共和国と、イギリスの北アイルランド自治州からなっていますが、そのどちらで造られたウイスキーもアイリッシュ・ウイスキーと称します。

アメリカン・ウイスキー

アメリカで造られるウイスキーの総称です。
アメリカのウイスキー造りは、17世紀の終わりから18世紀にかけて、英国から移り住んだ移民の人たちにより始められました。1770年に初のライ・ウイスキーが製造されたといわれています。
アメリカン・ウイスキーは、使用する原料により、ライ・ウイスキー、バーボン・ウイスキー、コーン・ウイスキー、ホイート・ウイスキー、モルト・ウイスキー、ライモルト・ウイスキーとなります。
いずれのウイスキーも単一原料ではなく、ライ麦、とうもろこし、小麦、大麦などの穀類が混合して使用され、蒸溜は、殆どが連続式蒸溜機で行われ、ポットスチルは原則として使われていません。

ウイスキー

日本の酒税法では発芽させた穀類と水、あるいは発芽させた穀類・水で穀類を糖化させたアルコール含有物を蒸溜したもので、蒸溜の際の溜出時のアルコール分が95度未満のものとされ、また、これに法的に定められたアルコール等の物品を加えたものをいいます。
ウイスキーは、蒸溜という高度な技術を要します。このため、醸造酒に比べますと、その歴史は浅く、文献に登場する最古のウイスキーについての記述は、1494年のスコットランド王室財務省の記録です。
ウイスキーは、英国、アイルランドから、世界各国に広がっていきました。
主要なウイスキーの生産地には、地域別にジャパニーズ・ウイスキー、スコッチ・ウイスキー、アイリッシュ・ウイスキー、アメリカン・ウイスキー、カナディアン・ウイスキーが上げられます。
これらは、世界の5大ウイスキーと称され、全生産量の約9割がこれらの地域で造られています。

カナディアン・ウイスキー

カナダで造られるウイスキーの総称です。
カナディアン・ウイスキーは、ライ麦を主に、小麦、大麦、とうもろこしなどの穀類を原料として造られています。
アメリカン・ウイスキーと同様、主に連続式蒸溜機により蒸溜されます。
穏やかな香りを持つフレーバーリング・ウイスキーと、とうもろこしを主原料に蒸溜したクリーンな味のベース・ウイスキーとをブレンドして造られるブレンディッド・ウイスキーです。
緯度の関係から、主原料は、ライ麦や大麦となり、そこからスコッチやアイリッシュ、また、バーボンとも違う独自のスタイルを形成していったと思われます。
味は非常にライトで、香りは、デリケート。5大ウイスキーの中で最も軽い風味、酒質を持つウイスキーといわれています。
カナダのウイスキー造りは、1763年にカナダが英国領となってからといわれます。
カナダは、直ぐお隣にアメリカの大市場を抱えており、特に、1920年代のアメリカの禁酒法時代には、カナダが、お酒の輸出を禁止しなかったこともあって、大量のウイスキーが米国内に供給され、カナダのウイスキー業界は飛躍的に発展、今日の世界5大ウイスキーの1つとしての地位を築いたといわれています。

グレーンウイスキー

トウモロコシなどの穀類を主原料に、大麦麦芽を加えて糖化・発酵させ、連続式蒸溜機で蒸溜してつくられるウイスキーをグレーンウイスキーといいます。

ジャパニーズ・ウイスキー

日本で造られるウイスキーの総称です。
ジャパニーズ・ウイスキーは、スコッチ・ウイスキーと似たタイプですが、他国には真似のできない日本特有の優美さや繊細さ、上品さを持ち、ピートによるスモーキーフレーバー、熟成香、味わい、ともにソフトなウイスキーです。
蒸溜所の数は多くありませんが、規模は大きく、各メーカーが多様のタイプの原酒を製造しており、商品の供給までを一貫して行っているというのも特徴の1つです。
わが国の酒税法では、ウイスキーを次のように定義しています。
  1. 発芽させた穀類及び水を原料として糖化させ、醗酵させたアルコール含有物を蒸溜したもの(溜出時のアルコール分が95度未満のものに限る。)。
  2. 発芽させた穀類及び水によって穀類を糖化させ、醗酵させたアルコール含有物を蒸溜したもの(溜出時のアルコール分が95度未満のものに限る。)。
  3. 1又は2に掲げる酒類にアルコール、スピリッツ、香味料、色素又は水を加えたもの
    上記の1はモルトウイスキー、2はグレーンウイスキー、3はブレンディッドウイスキーを含む製品としてのウイスキーです。

シングルウイスキー

単一蒸溜所で蒸溜されたモルトウイスキー、またはグレーンウイスキーのみからなるウイスキーをいいます。

シングルカスクウイスキー

1つの樽で熟成させたウイスキーを、びん詰めしたものをいいます。
樽の個性をダイレクトに反映したウイスキーとなります。
シングル・バレルともいいます。
シングル・カスクは全て限定品です。多くても数百本程度のプレミアムなボトルとなります。

シングルモルトウイスキー

モルトウイスキーのうち、同一蒸溜所のモルトウイスキーだけを使った製品のこと。蒸溜所の個性がはっきり現われ、個性豊かなウイスキーとなります。
シングルモルトは、1980年代後半から世界的なブームとなっていて、わが国でもシングルモルト・ウイスキーの需要は年々増大しています。

スコッチ・ウイスキー

イギリスのスコットランドで造られているウイスキーの総称です。
ハイランド、ローランド、アイラ島、スペイサイド、キャンベルタウンに蒸溜所があります。
スコットランドには、数多くの蒸溜所があり、多様な個性を持つウイスキーが生産されています。
特に、ハイランドのスペイサイドは、スコッチ全体の半数近い蒸溜所が集中しているウイスキーのメッカです。
スコッチ・ウイスキーは、原料である大麦麦芽を乾燥させる際にピートを焚きますが、スモーキー・フレーバーといわれるその香りが麦芽に付いているのが特徴です。
スモーキー・フレーバーは、スコッチ・ウイスキー(モルト・ウイスキー、ブレンディッド・ウイスキー)に共通する香りです。

ストレートウイスキー

アメリカン・ウイスキーの場合は、樽の内側を焦がしたホワイトオークの新樽で2年以上熟成させたウイスキー(コーン・ウイスキーを除く。)をいいます。
アイリッシュ・ウイスキーの場合は、単式蒸溜機で3回蒸溜した原酒だけで製品化したものをいいます。

テネシー・ウイスキー

バーボン・ウイスキーの中で、アメリカのテネシー州で造られ、チャコールメロウイングの工程を経たものが、テネシー・ウイスキーと呼ばれます。
法律上は、ストレート・バーボン・ウイスキーに含まれますが、バーボンと異なるのは、蒸溜直後にサトウ・カエデ(シュガーメイプル)の木炭を細かく砕き、大樽に入れ、この木炭の層を時間をかけ、ろ過(これを「チャコールメロウイング」といいます。)していることです。これにより、蒸溜直後の荒々しい風味は取り除かれ、シュガーメイプルの甘味が加わり、まろやかな特有の風味が生れます。

バーボン・ウイスキー

とうもろこしを原料にしたアメリカのウイスキーです。
ケンタッキー州バーボン郡で生れたことから、この名前が付きました。
アメリカの法令では、バーボン・ウイスキーは、とうもろこしを51%以上使用し、麦芽で糖化、醗酵させ、連続式蒸溜機によりアルコール分80度以下で蒸溜し、内面を焦がしたホワイトオークの新樽で最低2年以上熟成させたものとなっています。
世界のウイスキーの中でも強い個性を持ち、独特の赤味と、香ばしい華やかさが特徴となっています。

ピュアウイスキー

単一原料のみからなるウイスキーをいいます。

ピュアモルトウイスキー

モルトウイスキー100%のウイスキー。アンブレンデッドモルトウイスキーと表記されることもあります。2ヵ所以上の蒸溜所のモルトウイスキーを混合したヴァッテッドモルトウイスキーと、単一蒸溜所でつくられるシングルモルトウイスキーがあります。

ブレンデッドウイスキー

モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜ合わせたものをブレンデッドウイスキーといいます。
樽ごとに異なった個性のモルト・ウイスキーを混ぜ合わせ(ヴァッティングといいます。)、さらにグレーン・ウイスキーをブレンドしてバランスのとれた風味に仕上げたものです。
ブレンディッド・ウイスキーが誕生したのは1853年。ブレンディッド・ウイスキーは、それまで、一樽ごとに味の異なるウイスキー(飲むたびに異なる味)を、ブレンドにより、均一で、いつでも、どこでも、同じ味を楽しめ、飲みやすいウイスキーとしました。
今では当たり前のことですが、そのような意識のなかった当時としては画期的なことではなかったかと思われます。
これにより、スコッチ・ウイスキーは、スコットランド一地方の地酒から世界の蒸溜酒へと躍進していったのです。
現在では、ブレンディッド・ウイスキーは、世界のウイスキーの主流となっています。

モルトウイスキー

大麦麦芽(モルト)のみを原料とし、糖化・発酵させ、単式蒸溜機で蒸溜してつくられるウイスキーをモルトウイスキーといいます。

ライウイスキー

ライ麦を主原料にしてつくるウイスキー。アメリカのストレートライウイスキーは原料となる穀類の51%以上がライ麦で、アルコール分40%以上、80%以下で蒸溜し、内側を焦がしたホワイトオークの新樽で2年以上貯蔵します。
アメリカの初期のウイスキーは、これであったといわれています。